主人公の中年男性は、石橋凌さんが演じているのですが、ビデオ会社を社長・青山です。青山は、妻を亡くして息子と二人で暮らしています。あるとき、新作ビデオのオーディションをすることになるのですが、青山は、その中から理想の再婚相手を探そうとします。オーディションで見つけた、理想の結婚相手・麻美(椎名英姫)に、どんどんのめり込んでいく青山だったけれど、実は、麻美は、愛するものに対する執着がすごい女性でした。
監督 三池崇史
原作 村上龍
配役
・青山重治 石橋凌
・山崎麻美 椎名英姫
・青山重彦 沢木哲
・吉川泰久 國村隼
・青山良子 松田美由紀
他に、三池組の作品では、常連ともいえる石橋蓮司さんも出演しています。
ロマンチックな恋愛映画のように思えるシーン、官能的なシーンなどあります。前半に、それがあるが故に、「人って怖い…」と、むしろ、霊的な現象や、残虐なことなどより、それ以前の部分が怖いと思えます。前半から後半への展開、みるみるうちに甘い恋愛ものがホラーに変わっていく様子は、怖いのに引きこまれていく、まさに、三池ホラーでした。この急展開…。見終えてみて、思ったのは、肉を切断したり、舌に注射針を刺したりというシーンは、やはり私はダメでした。あの音が離れません。キリキリ…(怖)。三池監督ファンといいつつもホラーそのものがダメです。これは、三池ホラーの熱烈なファンの方からは、邪道・外道の扱いになるのかもしれませんが…。
しかし、前半は、恋愛シーンのような感じで静かに進み、中盤に入って、幻想シーンとでもいえばいいのか、夢うつつなシーンが展開されます。そして、後半に入って、どんどん怖くなってくるのですが、この構成も、すごいし、中盤は意外と好きでした。しかし、後半のための前半、中盤ですからね。観客を飽きさせない独特の映像で、3つの大枠で展開していきます。「この怖さ」は、おばけを見て怖いと思う感情とは違って、人の怖さを感じるので、こころに残りますね。拷問シーンは、ショッキングなのですが、こういうの、観たくないと思いながら、怖いと思いながら、体が固まって釘付けになるものです。瞬きの回数が、逆に減っていくのがわかります。足を切断するシーン、観ていて、自分の足が、なにか違和感を覚えてきます。『ミザリー』を思い出しました。自分には、ミザリーが限界だとつくづく思いました。
本当にたくさんの作品がありますが、ホラー系は苦手です。三池監督の作品でなければ手に取ることもなかったでしょうが、やはり、パッケージを観ると、観たくなるのが心情です。三池監督の作品でも、年に2回くらい、「ユウキとカクゴ」を決めて、レンタルビデオで鑑賞しています。
この映画…。怖いです。残虐なシーンが…というより、この映画そのものが怖いです。しかし、恋愛ということを考えたとき、それがこのような残虐なことをするかしないかの話はあっても、相手に対して、それ相応の範囲内で、いわゆる「束縛」や「縛り」みたいなものがあることってある場合が多いと思います。そこいらへんから、考えると、この映画は、恋愛の深層心理の裏表まで見せられたような気にもなってしまいます。やはり「人」が一番怖いですね。恋愛するのが怖くなったりして…(笑)
三池作品は、いつも、音やカメラアングルというか、撮し方がとても巧妙で、その技法に感動するのですが、この作品、後半などは、余計に臨場感を感じます。三池監督の作品は、ホラー、そうでない作品に限らず、カメラの使い方に、「誘われて引きこまれる」マジックがあります。
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